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2009年3月5日木曜日

動物 人間

息子が「私の敵になるような人は普通の人だ」と言っていました。

19歳にして良く分かっています。「風変わりな人」、「ユニークな人」、「人を遠ざけるような人」はいずれも毒はありません。毒が無くて危険な場合も時にはありますが。

ごく普通に善良なサラリーマンや市役所の職員さんのような地味で目立たない普通のかっこの人が一番危険です。

動物は毒を知らせるために派手なカラーリングを施したり、みるからに危険な形をしています。

人間は毒を隠すために、地味に目立たなくしているようです。

金言 村上 龍

前にも書きましたが、「日イト」大好きなので時々覗きます。そんな中でイトイさんの素晴らしい言葉が載っていましたので紹介します。

人に会うのは風呂に入るのに似ています。
風呂も、入るまでは億劫がってくずぐずしてても、
湯上りに後悔したことはない。
人見知りだってなんだって、会うことですよね。(「小さい言葉を歌う場所」より)


前略
いっぱいあたりを引いているように観られている人は、
本当は、いっぱいくじを引いている人なのではないか・・・・・・

金言です。

毎日毎日の積み重ねが人生です。丁寧に丁寧に生きていく事を心掛ければいっぱいいっぱいくじを引く機会が訪れます。

話は変わりますが、作家の村上龍さんが雑誌の紙面で「人から私の文章はよく力技だといわれるが、
しっくりこない。私は贅肉をそぎ落とし、簡潔な、明瞭な文章にするための職人のような作業をしている」と文章がいかに簡潔で、明瞭かそのことの大切さを説いていました。実感します。

ビジネス文章で特に相手にこちらの状況を的確に伝えるためにその文章は簡潔で明瞭でなければなりません。「薄い黄色の帯をした女性」という表現と「浅黄色の帯をした女性」という表現では相手に与えるイメージが異なるのです。会社のスタッフにも良く伝えます。まずは言葉を大切にする事です。

NIRA 伊藤元重 






事務所に行かずとも勉強はしなければなりません。今日は雑誌3冊と新刊2冊を購入しました。

NIRAなんのことだかわかりますか?野菜のニラとは無関係です。
National Institute for Research  Avancementの略です。日本名=総合開発研究機構です。
日銀総裁にも名前の上がった伊藤元重氏が理事長を務めています。氏は確かT大学経済学部長でもあります。昨年秋の講演には所用のため拝聴することが出来ず残念でした。ということで、氏の格差論に興味を持ちました。

本編は格差を多面的にとらえ、各々の優れた複数人の論述を掲載しています。若者格差の拡大、ワークプアの問題、中流層の欠落の問題など格差は様々です。しかし、なんでもかんでも格差という言葉を付ければよいというものではないとも言っています。一昔前の「自由」という言葉と同じ使われ方のようです。ただ、高齢化しているというデータははっきりしているようです。

教育の格差拡大について、日本の近代化とイギリスを比較してその構造や成り立ちの違いを検証している優れた記述もありました。


教育格差はいけないことなのでしょうか?別の人が言っていました。「教育を受けるチャンスに格差があることはいけない。しかし、教育そのものに格差があっても良いのだ」「人間は皆違う人間なので、スポーツが得意な子供もいれば、絵を描く事が得意な子供もいる。要するに多様性を認めなさい」と言っていました。私も納得です。


イギリスでは伝統的にエリートと呼ばれる子供達は私立のカレッジに進みます。それには厳然たる階級社会が存在します。日本はそうではありません。階級は関係なしに、勉強のできる子供が好きな大学を選択できます。よほど日本のほうが自由であり、構造的格差はないのだと思います。


もう一冊は「ガラバゴスカする日本の製造業」(東洋経済新報社出版 宮崎智彦著)です。

ダウンサイジングできない日本の製造業について様々な視点よりその問題を提議していました。

友人より聞いていた話とつじつまが合います。氏は物理学(金融工学)を選考し、N証券を経ています。

物とお金の両面より考察している点も面白かったです。




二冊読んだので、残りの本はロードバイクを漕ぎながら読むことにします。それにしても老眼鏡を掛けなければ読めないのでレンズに汗が溜まります。これはやっかいです。1.5Hイーブンペースで行きます。今日はさしずめ第6ステージです。






ある犬のお話


今朝の朝焼けです。日の出は6時6分でした。

ある犬のお話

今から15年と3か月前にカンザスからカリフォルニアにやってきた、それはそれは可愛い犬がいました。カンザスを幼い頃より離れたのでカンザスなまりはほとんどありません。カリフォルニアの暖かい太陽の下で広い庭のある大きな家でのびのびと育てられました。家族はその犬をS君と名付けました。

しばらくすると仕事の関係でその家族は日本に帰国することになりました。その家の娘さんお二人はアメリカの大学や高校に通っていたので、一足さきに家族と帰国したS君は少しだけ大好きな長女と離れ離れになることが寂しかったです。

その後長女は無事に東部の名門大学を卒業し、次女も日本の大学に入学し、それぞれがそれぞれに大人になっていきました。

日本に来てからもS君の立ち振るまいは威風堂々として「ジェントルマン」そのものです。
他の犬にも教育を施し、人間にもただしっぽをふってなんでも言う事を聞くのではなく、己を持っているようでした。しかしながら犬の女性にはちと弱く、つい強気に出られると物陰に隠れてしまうような、シャイな一面も持ち合わせていました。

月日は流れます。ハワイのホテルに勤務していた長女の思いはいつもS君に「会いたい」でしたが、その長女もやっと日本に帰国する事が出来ました。次女も日本ではトップクラスのMBAを取得するべき勉強の日々が続いていましたが、いつもそこにいたのはS君です。

ご主人の二度にわたる大手術のときもS君は心配でしかたありませんでした。手術は成功しました。
家族が全員揃っている今のような時間がS君は一番幸せだと感じていました。

それとご主人からもらうデザート、この誘惑にS君は特別に弱いのです。

その彼も15年と3か月家族に見守られながら、まるで潮が引くように虹の架け橋に行ってしまいました。
大好きな大好きな長女に見守られながら。

家族に一杯一杯のこぼれるほどの幸せを運んできてくれたS君は最後に一言「この家に来られてよかった。ありがとう」といったはずです。

寝たきりになったS君をみんなで介護し、大好きなデザートももらって、そして最後に食べたのは鴨肉でした。最後まで尊厳を持って人間を見守っていたS君はしばらくだけ先に虹の橋に行ってしまいました。

私たちもいつかはそちらに行きます。しばらく先に行って「ジーニー」や「ボク」と会って私たちのことを笑って待っていてください。ありがとうS君 本当にありがとう・・・・・

牛鍋


我が家の牛鍋です。妻と岐阜に赴任しているときに犬山の明治村に行ったときにこの食べ方を教わりました。明治4年創業の「大井肉店」のレシピです。


ポイントは割り下を先に入れずに肉に直接砂糖をかけて艶が出てきたら割り下を入れます。


霜降りが美味しいのですが年のせいか沢山は食べられません。1年に1回でいいかもしれません。