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2009年11月6日金曜日

価値の崩壊

人間は多少なりともいくつかの人格を有しています。私とて真面目な顔をして仕事をこなしている自分、犬の前で赤ちゃん言葉まで発してしまう自分、友達の前では悩み一つみせない自分、等々であります。

そして、その人格それぞれで価値を見出しています。仕事を完遂することの価値、相手に喜んでもらうことの価値、子供を卒業させる価値、いくつも価値を自ら作り上げています。

しかし、その価値の基底にあるものが崩壊したらどうなるのでしょう。とてもではありませんが人格を保つ骨格が崩れてしまいます。これこそが多くの人が苦しめられる精神的危機に他なりません。

心の基底にある澱んだものが、基底に穴を開け、価値を排出してしまい、残った穴はカラカラに干上がってしまったとき、本当の危機が訪れるのだと思います。恐ろしい光景です。

今のところかろうじて小人さんがこの空白を埋めてくれています。小人さんを大切にします。

レビィ・ストロース 礼賛


近くの書店にいったらレビィ・ストロースの書籍がコーナーにまとめて展示されていました。
ここにもレビィ・ストロースを同じように追悼する人がいることを想い、嬉しくなりました。
みすず書房より発刊されている「サンパウロへのサウダージ」を購入しました。


サウダージという言葉を彼はどのように解したのでしょう。時間の移ろいゆくなかのはかなさと憧憬、私にはそんな気がしました。そしてその憧憬には若さゆえの危うさ、儚さが感じられます。