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2009年12月17日木曜日

KYOTO OSAKA いそぎ旅
















夕刻までに戻りたいので、駆け足です。

最初は妻が所望していた「楽美術館」です。楽家の自宅の横にあります。初代長次郎に始まり現在に至るまでの楽家の名品が展示されています。同じ黒楽でも作者により作風が異なります。

華やかな元禄期にあえて初代に近づこうとした作品を残した宋入(間違っていたらごめんなさい)の黒楽が印象に残りました。彼は唯一の娘婿といいます。

楽美術館を終え、待たせていたタクシーに乗り「源養院」です。例の「血天井」で有名な浅井長政を供養している寺でもあります。お得意様O社長が是非見たほうがよいと言っていたので、見てない私は見ることにしました。 なんでも好奇心です。石川五右衛門はここに盗みに入って左甚五郎作のうぐいす張りにより捕まって釜ゆでになったとは初めて知りました。

俵屋宗達の杉板絵も有名です。確かに血跡は見られましたが、おぞましいというより血があのように残るにはどのくらいの放置期間があったのかとCSI宜しく推測してしまいました。それ以上に江戸以前の日本人の死生観とそれ以降は大きく異なったのではとつい考えてしまいました。

まきまきで京都駅です。大阪まで一番早く着く列車を訪ねると新幹線や特急ではなく、特別快速とのこと急いで駆け込みます。

途中、高槻、新大阪に泊まり、大阪で下車です。大阪では大阪市立東洋陶器美術館に向かいます。
リックパパが絶賛していた美術館です。

ここ中之島は大阪のシテ島のようです。水の都とはよく言ったものです。

本当なら「美の猟犬 安宅コレクション余聞 伊藤郁太郎著」を読んでから訪れたかったのですが、本が間に合いませんでした。


膨大なコレクションです。安宅産業が倒産してもこのコレクションをバラバラにせず、大阪市に寄贈した住友銀行は大したものです。

期間中の特別展の「汝窯」の展示を行っていました。青磁といっても色々な色があります。時代、場所によって微妙に異なっています。見なければわかりません。

とにかく急げ急げの本日です。昼食は新大阪のBというお好み焼き屋さんです。ビールのジョッキが凍っていたのですが他の冷凍食品庫で凍らせていたのでしょう。生臭かったです。やはり「ゆかり」が好みです。


伊吹山は冠雪していました。遠くに稲葉山城のある金華山も見えます。寒気の雲が北西より流れています。

うとうとしていたら新横浜が近づいてきました。

KYOTO 星のや 朝食 川下る











ちょっとした行き違いがあり朝食の予約が入っていませんでした。でも10分で用意してくれました。

メニューは鶏がらを7時間煮込んで昆布で出しをとったスープに京野菜と嵯峨豆腐の鍋です。

出しが美味しくてほとんど食べてしまいました。でもこれはよく考えています。時間の集中する朝食をダイニングで行うと大変な作業です。客室でゆっくりできて熱々です。
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窓の外には青鷺が大きく羽を広げて水面すれすれを飛んでいます。空にはいく筋もの飛行機雲が快晴の空にたなびいています。
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朝食を終え、とても気持ちのよかった石鹸をお土産に買いこんで、下りの舟で帰途につきます。
船頭はイギリスからきているマークさんです。とても日本語が上手で笑顔の絶えないナイスガイです。
お礼を言って記念に写真をパチリです。

渡月橋を渡るまで手をふってくれました。

KYOTO 星のや 京都 しつらえ
























































星のやきょうとは古い建物をリノベートしたと言っていましたが、内装はほとんどやり直しています。
特にモジュールは天井まで2700で統一しています。浴室も、トイレも全てこのモジュールです。建具もこれに合わせて全て2700でかつレールを排除しています。
床は杉板を染色して、床暖房になっています。
ところどころに京都らしいしつらえが施されています。特に、唐紙は一目に値します。これは収穫です。
京唐紙は流通量も少なく、関東では専門的に扱っている店は少ないです。しっかりヒカエテきました。

照明は全体的に暗く、老眼にはチト厳しいです。ユニバーサルとはいきません。
ライブラリーとレセプションにはマックノートもインターネットに接続してあり簡単な検索は可能です。
全ての部屋がリバーオーシャンフロントでした。

KYOTO 星のや 京都 ダイニング  夕食











今回の目的のもうひとつはミシュラン★★★の「嵐山 吉兆」とこの星のや 京都がコラボしており、予約と舟での送迎があることでしたが、残念ながら水曜日は定休日のためこの実現はなりませんでした。

そこで星のや 京都のダイニングでディナーです。
料理は伝統的京料理からフレンチまで和洋混載です。
私たちの選んだメニューです。
食前酒  ブルゴーニュ 白ワイン
食中酒  日本酒辛口 熱燗
★九条ネギのプレッセ、フォアグラ添え
★くじのやわらか蒸し
★あんこうの肝
★星のや特製 胡麻豆腐
★京鴨のグリル 八橋風味
★雲子の天ぷら
★お蕎麦



特に鴨は良かったです。これは八ッ橋を粉にして皮目に付けていてアイデアです。それとプレッセに添えられたサラダのイチゴのアクセントが美味しかったです。 雲子のてんぷらは丁寧な仕事です。雲子のすじを綺麗にとってあります。寒鱈の雲子のほうが、とらふぐの雲子より濃厚です。どちらが好みかは年齢にもよるでしょう。ワインには断然前者です。日本酒には・・・・・両方かな?

お蕎麦は・・・・・・コメントやめておきましょう。人には好き嫌いがあります。私にはただそれを標榜して作る料理人の方に「宮本」「一茶庵本店」「神田藪」「更科堀井」「神田まつや」を是非食べて欲しいなと感じます。蕎麦は生き物です。
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部屋にも小さなミニボトルが3本、さらにダイニングのドリンクメニューもいまいちです。もしかしたらオーナーは下戸?と思ってしまいました。これはもう少しなんとかしてほしいものです。

KYOTO 嵐山 花灯路







春の東山、この12月の嵐山と年2回だけライトアップが施されます。
京都の奥の深さはこういった閑散期にこのような魅力的な催しを行うことでも分かります。
しかし、寒い!!!渡月橋は「荒らす山」と言われるくらい風が強く飛ばされそうです。
人生で初めて人力車に乗りました。初めて知ったのですがこの人力車の会社「えびすや」さんは全国で北は小樽、函館、浅草、鎌倉、奈良、京都、関門、湯布院と8箇所運営している独占企業なのです。車夫さんも多いときは京都だけで60名近くいるそうです。
車夫さんはSさんといい年齢23歳で車夫歴5年のイケメンさんです。陸上とアメフトで鍛え上げた体で大変スムーズです。説明も丁寧で大変好感のもてる青年です。
大河内山荘近くの孟宗竹の竹林は幻想的でした。途中、見たかった「嵯峨菊」がしおれながらも咲いているところを見ることができました。

KYOTO 星のや 京都2







今回の逗留の目的の一つに、「舟でたどり着くその様式美」にありました。

数年前、水郷地帯の古い農家と蔵の再利用方法として、川を対岸から舟で渡し、お客様をお迎えする企画を提案したことがありました。

旅の醍醐味に目的地に着くその瞬間というものがあります。飛行機や車では楽しめない、わくわく感を感じられるからです。さらに水の持つ清廉さはすっと気持ちを落ち着かせます。時の移ろいを楽しむ日本の美学です。

まず上りの船着場には小さな待合があり、京都に関連した日本語、英語の書籍が暖かいお茶とともに楽しめます。

ほどなくすると舟の準備が出来、和船にしたてた最新鋭の舟で保津川を遡上です。

ここ渡月橋より下流を桂川、上流を保津川(大堰川)といいます。

この時期はライトアップされ川に落ち込む山が照らされています。

ほどなくすると宿に到着し、船着き場より上がります。

さっそくチェックインを済ませ、夕食の時間まで小一時間あるのでこの時期しかやっていない。

嵐山の花灯路です。また、舟で下ります。

KYOTO 星のや 京都1







10月にオープンした星しのや 京都です。11月に来る予定だったのですが、仕事の関係で12月に入ってしまいました。

100年以上前には角倉了以の別荘跡で、その後旅館が営まれていたそうですが、30年以上前に閉められていたものを星のやリゾートが全て作りなおしたものです。

オーナーの星野佳路さんは日本の大学を卒業し、コーネル大学の大学院でホテル経営を学び、軽井沢の星しのリゾートを成功させ、さらに不振に陥っていたリゾートを復権させている時の人です。

先日、表参道で水彩画展を開かれていた笠井一男さんがこの星のや京都のHPに京都の町家の絵を描いていることは偶然でした。

京都の寺院や美術館は4時で閉まってしまいます。残念ながら全てフラれてしまいました。
夕暮れの嵐山に急いで車を走らせます。