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2010年12月2日木曜日

子規 句集 随筆



テレビでも放映されている「坂の上の雲」の主人公のひとりでもある正岡子規は私の好きな歌人です。

子規は病床にありながら、その好奇心の凄さと病気に対してあっけらかんとした明るさとユーモアのある作品が私の好きな所以です。

私の母方の弟つまり叔父にあたる人が結核で亡くなっています。まだペニシリンが十分に出回る前のことでした。私もおぼろげながら優しい顔の叔父の事を覚えています。元気な頃には膝に乗せて動物の話をしてくれたと聞きます。最初は肋膜炎だと思っていたら重症の肺結核で、子規と同じくカリエスを患い他界しました。療養所は隔離されていて、不思議なことにセプの生まれ故郷である榛名山の麓でした。

叔父が死んだ時幼かった私の枕元に現れた事を覚えています。骸骨の姿でも少しも怖くなかったことも良く覚えています。

ー閑話休題ー

数冊持っていたはずの書籍が見当たらず、文庫にて買い直ししました。

休みの少ない正月にでも読みなおしてみます。

文化依存症候群 CBS

文化依存症候群=Culture Bound Syndromeという病気があるのをご存じですか?


ウィキペディアによれば


ある地域・民族・文化環境において発生しやすい精神疾患の事を指す。例えば、対人恐怖症や腎虚などのさほど特別だと一般に考えられていない疾患も文化結合症候群である。


エミール・クレペリン, Yap, Kievを経て今日に至る概念である。「文化結合症候群」の言葉を用いたのは、香港の精神科医Pow Meng Yapが最初である[1]。1967年のことであった。culture-bound reactive syndrome、culture-bound syndrome (CBS) という言葉を用いている。


19世紀後半の西洋社会の植民地主義との関連性を持っている。西方世界 (Western World) からみた、クレペリンらの珍奇な精神疾患(ラタ)の発見から始まった。今日、西洋側の精神医学の疾患概念(たとえば、摂食障害)が、新しい文化結合症候群として捉えられるようになってきている。


また、ある文化圏の精神医学疾患カテゴリー (the category of disease) を、そのほかの文化圏に当てはめている点で、クラインマンのいうカテゴリー錯誤 (category fallacy) ともいうことができよう。


代表的なCBSとして、latah, amokが西欧諸国に紹介されたのは19世紀末であった。西欧世界の医学者、人類学者によってエキゾチックな病態が幾つも発見されることになった。マレーシアで起きる特異な精神病であるアモックの研究から、特定の文化環境下において発生しうる特殊な精神病の存在が指摘され始めていた。


アメリカ精神科学会の精神障害の診断と統計の手引きにおいては、Culture-bound syndromeの項目をもうけてこれらの症例を載せている。アメリカは多民族国家である。異なる宗教・風習を保ちながら生活している人々も多いため、それぞれの民族・文化に起こりやすい症例に対して、誤った認識や診断を生じさせないようにこのような研究や分類が行われている。


研究の起源が、そもそも西方世界からみた他国であるため、欧州にもあると思われる文化依存症候群に対する研究は、それ以外の地域に対する研究よりも遅れがちである

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この頃の日本人を見るとマレーシアのアモックや韓国の火病のような事件が多くなっているような気がしてなりません。グローバリゼーションのこれも弊害???

恥の文化、罪の文化


西欧において初めて日本文化を検証した書籍はルース・ベネディクト著の「菊と刀」といわれています。

内容については色々な評価がありますが、彼女はこの本の中で日本は「恥の文化」西欧は「罪の文化」と言っています。

確かに明治初期までは武士のこのような精神が受け継がれ、「やせ我慢をしてでも義を通す」といった精神文化があったと思います。

いつからでしょうこうなったのは・・・・恥をかいても平気ということは、人を恥じさせても何とも思わないという事でもあります。

自由と平等と引き換えにこの恥の文化を置き忘れてきたのかも知れませんね・・・

脳と疲労  CFS ME PVFS

とある医学博士の肩書を持つ相手との会話で私のロードバイクの話になり「年を取ると筋肉の疲労が早く乳酸が貯まりやすいから困ります」といったところ、

相手は困惑顔で笑いながら「最近の研究では乳酸が悪ものとは決めつけられないようです。疲労と疲労感には脳という大切な要素があり、現在はそのあたりが研究の中心のようです」「乳酸はもはや疲労回復概念の起点のようです」

それは知りませんでした!!我々が当たり前だと思っている知識はもはや古臭く使い物にならないとは恥かしい限りです


まず疲労疲労感とは違うと言うことです。毎日毎日疲労が蓄積し、夜眠って翌日には疲労が取れたと思っていても、実際の疲労は蓄積し、体に様々な症状を引き起こすことがあるようです。つまり脳が感じる疲労=疲労感と実際の疲労が必ずしも一致しないからです。このようにして継続的に疲労が続き体中に色々な症状が現れるようになるとそれを「慢性疲労症候群」と呼ぶようです。この疾患の概念はアメリカで生まれたので、英語 Chronic Fatigue Syndrome や Myalgic Encephalomyelitis(筋痛性脳脊髄炎)、 Post-viral fatigue syndrome(ウイルス感染後疲労症候群)のアクロニムからCFS、ME、PVFSと呼ばれるようです。

そしてあらたにその慢性疲労症候群が引き起こす、不眠、抑鬱、倦怠感等で年間数万人が自殺や重症化により社会的問題になっていることもあり、新たにこの慢性疲労症候群かどうか疲労を視覚化しようという試みが始められています。以下厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)分担研究報告書より抜粋です

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A. 研究目的



「疲労」は休みなく心身を使うことによって生体機能に障害が生じた状態を、「疲労感」は疲労を脳が主観的に定量する感覚を指す。 「疲労感」は、報酬や、やり甲斐などでマスクされ易いため、「疲労感」のみで「疲労」を定量しようとすると、様々な問題が生じる。そこで、「疲労」を客観的に測定するために、疲労によって変化する生体のバイオマーカーを発見し、これを利用して疲労を測定する様々な方法が検討されている。我々は、疲労を客観的に測定するために、「疲れるとヘルペスという水泡が唇にできる」という現象に着目した。 この現象は、通常は宿主の体内に潜伏感染しているヘルペスウイルスが、疲労によって宿主の危機が生じると再活性化し、他の宿主を求めて体外に放出されるという現象である。ヒトのヘルペスウイルスは8種類知られているが、この中でも労働による疲労にはヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)が良く反応することが判った。 これは、疲労の客観的測定法の開発原理として利用可能であるので、唾液中HHV-6測定による疲労の客観的測定法の開発に着手した。一方、HHV-6が疲労に反応して再活性化するということは逆に、疲労によるヘルペスウイルス再活性化のメカニズムを解析すれば、疲労の分子メカニズムを解明することが可能となることを示している。数年前に乳酸が疲労物質でないことが明らかにされてから、疲労の分子メカニズムは、返って謎となった。 我々は、HHV-6の再活性化機構を詳細に検討することで、疲労因子を同定している。この因子は、マウスに不眠や水泳などによる疲労を与えると様々な臓器で発現が亢進することと、この因子を遺伝子導入によって発現を誘導すると、マウスの自発運動量が低下することから、疲労という現象の中心的な働きをする因子であると考えられた。また、この因子の働きを抑制する因子も疲労負荷によって発現が亢進することが判り、この研究が、疲労のメカニズムの解明や疲労回復法の開発を可能にするものと考え、今回の研究課題とした。

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しりませんでした、多くの人が元々持っているヘルペスウィルスが介在していたとは、それも通常ではウィルスは宿主である細胞を殺さないために数を増やさずにいるのであるが、過度のストレス等に継続的にさらされると数を抑制する因子が働くなくなりウィルスは増殖を続けて細胞を死に至らしめ、ウィルスが沈む舟から新しい船に乗り換えるというのは面白い話です。

我々が常識だ恒常的だと思っていることの本当はいくつがそうなのでしょう。ひょんなことから私も一つ学びました。参考にしたのはこんな本です。