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2010年12月13日月曜日

食い物譚  吉村 昭


2006年に亡くなった作家、吉村 昭氏の食にまつわる文章を読んでいると、必ずと言っていいほど値段との関係が強調される。高くて旨いのは当たり前、できれば安くて旨いものが良いとしている。同意。

さらにおごおごしく店側が食べさせてやるという店はダメだと言っている。ダメというより氏の言葉を借りれば「いかなくなる、消えるように足が遠のく」と言っています。共鳴。

飲食店を経営していた時にこんなことはなっかったのかしらん?と背中が寒くなる文章でもある。黙意。肝胆。

Ella Fitzgerald & Duke Ellington - Lush Life (1965)

素敵な映像と音を見つけました。

1965年のエラとデュークエリントンの「ラッシュライフ」です。

今日みたいに寒々とした夜にホットバーボンとともに聞きたい歌声です。

Solites Paradox

認知心理学の分野でソリテス・パラドクスという理論があります。もの理論の起源は古代ギリシャの哲学者エウブリデスが作った「はげ頭のパラドクス」だと言われています。

砂山から砂を一粒取っても砂山だが、これをどんどん続けて最後の一粒になったときにも砂山と呼ぶのかという問題です。

同様にはげ頭(この種に悩んでいる方には失礼を承知で)でない人から髪の毛を一本抜いてもはげ頭ではないが、抜き続けるとどうなるのかといったパラドクスなのです。

つくり砂山やはげ頭という概念が抽象的で曖昧であることが問題なのです。

解決策は簡単です。バートランド・ラッセルがいうように論理に曖昧さを介入させないことです。

まあ、時間があるなら固定境界値、多値論理、履歴現象、ファジイ理論なども調べてみると良いでしょう。

如何に私達が曖昧で不明瞭な定義を行っているのか良く分かります。

Rottweiler りく君

段々に来ている犬はどの子も喧嘩はしない良い子ばかりですが、このロットワイラーのりく君は特別です。

良くしつけられたロットワイラーは素晴らしい家庭犬になると言われていますが、まさにその通り。しかもオスです。女の子や権勢を争うオス同士の喧嘩には全くならないのです。

これが不思議です。愛情を受けよほど自信があるのでしょう・・・可愛い子です。



日本人の情報行動 インターネット

5年ごとに実施されている橋元良明・東大情報学環教授(コミュニケーション論)らの「日本人の情報行動」というデータで面白い結果が出たと聞きます。

この結果によるともはや固定インターネットではなく若者は携帯でインターネットを使っており、固定は低下しているというのです。

確かに、私のように老眼の翁には固定インターネットが画面が大きく便利であるが世の中の趨勢は異なっているのだと思ったわけです。

そう考えるとテレビで宣伝している光の道なんていうのも、案外必要なかったりして、携帯で物足らなくなった人はタブレットのそれも無線に進むとしたら光は完全な中抜きですよね。

そういうことも十分あり得ると思えます。なるほど・・・・・・・

宿 Paris

モンマルトルの坂の途中に

秋が深くなれば、客も少ないホテルがある筈だ。

私は、ある年の秋の客で、

女主人から、

お手本のような字で

ルアーブルまでの旅の心得を、こまごまと書いてもらった。

今年も叉、同じ秋になって、

夜には女ばかりの家族が

ロビーでテレビを見ているに違いない。

今年も同じ秋ならば、

再び、あの宿に泊まり、

早朝の出発には、鍵の開け方を知らない人になって

「マダム、マダム」と呼んでみたい。

とうに目覚めていた彼女が、部屋着姿で笑顔を見せ、

壁際のボタンを押して

電気ロックをはずしてくれるだろう。

カチッと、まるで

心の扉の、鍵がはずれる音のように・・・・

JET STREAME 1979.11.2.ON AIR を一部私的に変更しました

レビィ・ストロース バルト デリダ   批判的アプローチ


この本の著者J・Gメルキオール啓蒙主義者だ、プラグマティズムとの親和性は別としても構造主義を批判する他者の目として私達はこれを読むべきだと思った。

デリダを「思想の文学化」と繰り返し読んでいることは注目に値する。これは構造主義のテキスト分析が著者の生い立ち、時代背景など全て無視して排除することがその書物を軽薄なものにするという意味を言っているのであろう。

確かに、サブカルチャーのように言語学や記号論といったものと隣接している分野、特にバルト批判においてはこのような批判は有効であるかもしれないと思う。

一方、後期デリダの政治的発言や歴史観にはこの啓蒙主義的批判がどうも的外れになりはしないかと考える。

一方聞けば他方も聞く、私の読書信条です。

均質化 ポプュリズム

BSでチューリップの大阪城ホールでのライブを放映していました。

チューリップは嫌いじゃありません。いや好きです。中学二年の時に全校生徒の前でギターで「心の旅」を歌ったぐらいなんですから・・・・・若気の至りですけど・・・・

しかし、途中でチャンネルを回してしまいました。それはライブに来ている観客の年齢層があまりに同質で気持悪くなってきたからです。

私がとても嫌うものの一つが同質な集団です。年齢、ライフサイクル、嗜好、それぞれ違うのにこの国には多くの同質集団が存在します。私はこれらが苦手です。教職を棄て、サラリーマンを辞めた第一の理由がこれですから。

アーティストの中には20年30年とやって急遽お休みにする人もいます。これなんか、自らのポプュリズムとマンネリ化したくない意志の表れなのではないでしょうか。

満員電車、サラリーマンの居酒屋の会話、蟻の行進どれも大嫌いです。

格差社会 日曜日の丸正 教育バウチャー制度

滅多なことで日曜日の朝一番の丸正さんには足を運ばないのですが、行きつけの整形外科がここにあるので仕方なく・・・

9時半の開店にあわせて9時より駐車場は満車です。車高が高いので1階の駐車場でなければ止められず暫く待つことになりました。

来ているのは私以上の年配者ばかりです。若い人の姿はほとんど見当たりません。生鮮食料品の安売りは確かに有難いと思います。でもここまでして真剣に血眼になって大根やりんごを買うことが必要なのでしょうか?

私も含めて高齢化が進み頭でっかちになる日本の社会保障を増やすとは、ここにいる人たちのために今の若い世代が負担することです。

高度経済成長は過去の遺物です。私達が成就した訳ではありません。たまたま、ぐうぜん、なるべくしてなったのです。

老人は若い人に道を譲り、自分の事は自分でするようにしなければならないと思います。

若い人のためにこそ税金を使うべきです。

義務教育も社会保障も実は問題の根っこは同じなのです。今の日本に適応していないのです。

私は教育のバウチャー制度を検討するべきだし思っています。格差社会を均一にしろという論理は世界をあまねくフラット化しろということと同義なのです。フラット化すれば富は高い所から低い所に流れ出します。この国の富は世界の砂漠に瞬く間に吸い取られてしまいます。

そういう以上、私自身、診察後は先生に投薬を断り出来る限り税金を使わないように帰ってきました。(笑)

21th birthday Diner

息子の21回目のバースデーです。普段は節制しているので今日は少しばかり美味しいものです。



ということで妻と息子と父母5人でタマプラにある某フレンチです。シェフはロオジェでスーシェフをしていたこともあるとか、今日はコースでなくアラカルトです。



これはつき出しでやりいかをソテーして、長芋の焼いたピュレに乗せてあります。



これはズワイガニと帆立のテリーヌ(温製)です。まわりを巻いているのは茄子です。

フォアグラのコンフィです。カブと林檎のジャムが添えてあります。


フランス産鴨のローストです。

牛ほほ肉の赤ワイン煮です。

お酒はシャンパンのハーフボトル、ローヌの白、カリフォルニアの白(シャルドネ)を選びました。


若いスタッフがテキパキと働き、料理もお酒もリーズナブルです。是非また来たいと思います。良いと思うだけに迷ったのですが、いくつか気にかかることを書くことにします。

つきだしは文句なくよいでしょう。ソテーの塩梅もベリーグッドです。スターターとしては最適です。

テリーヌは冷製が良いと思います。さらに旨みの凝縮感に欠けます。蟹が多く、蟹のフレークを食べている食感です。卵白を入れるなどしてもう少し弾力を持たせるべきでしょう。

フォアグラのコンフィに使っているバルサミコのソースは強すぎます。料理全体的にバルサミコを使うのでどの料理も似た味になってしまいます。林檎にはシナモンやキャトルエピスをつけて変化させて供した方が良いと思います。

鴨のローストは火が入りすぎています。パサパサ感があります。もっと低温でゆっくり火入れしないと鴨のジューシーさが逃げてしまいます。

上の写真に無い、真鯛とすすぎのポアレも同様に火入れしすぎです。パサパサ感が強いです。ソースも野菜のソースと期待したのに味の良く分からない中庸なソースでした。お魚の調理はカンテサンスのメカジキのようにもう少し旨みを閉じ込めることを留意した方が良いでしょう。

さらにオマール海老のアメリケーヌを頼んだつもりだったら、出て来たものはパスタだったのは驚きです。イタリアンもフレンチも区別するつもりはありませんが、あの設定はいただけないです。

ワインについてはリーズナブルで最初に頼んだロワールはロワールらしい力強い白で、フォアグラや鴨にも合いました。シャンパンもボランジェに卸しているものだけあってふくよかです。

ただし、カリフォルニアはいただけません。濃いシャルドネとして最後に頼んだのに香りが薄く軽すぎます。これは決して濃くありませんよ。

厳しいことを書いてしまいましたが、あの値段なら仕方なしとする人も多いと思います。しかし、頑張って続けて欲しいと思うだけに厳しいことを言ったのです。シェフもまだ若そうです。まだまだ勉強して己の殻に入り込むのは止めたほうが賢明です。

今度はランチでふらっと立ち寄ってみます。

腰痛悪化

3カ月前から股関節に痛みがあり、頻発していたのですが、ここ数週間は腰にも痛みが走り、つい先日はさらにそれを痛めてしまいました。両足とおしりの中も激痛が走ります。座っていても両足に鈍痛があります。

日曜日でも診察している荏子田の整形外科で診察をしてもらったところ、股関節の異常は見当たらず、おそらくこの散発痛も腰椎が原因のようです。

牽引と電気を掛けてもらいもっとひどくなったらブロック注射です。

息子の本棚にある人体解剖図を見てみると、第一から第四腰椎にかけて下肢や膀胱の神経叢が集まっています。腰椎を悪化すると排尿障害になることが良く分かります。

年末にかけて腰痛がひどくなるとは困ったものです。

しばらくはコルセットをつけて足元を温めることにします。