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2013年9月27日金曜日

安倍さんが変わった理由


安倍さんが好きだとか、自民党が嫌いだとかそういうことではありません。皆さんは安倍さんが変わったと思いませんか。私は当初どんな事情にせよ一国の宰相という重職を投げ辞任した人がもう一度務まるとは思っていませんでした。ところがどうでしょう。変わったとみるべきかマスコミが敢えて以前はそうしたことを公表しなかったのか定かではありませんが確実に仕事をしています。

前々日の深夜、カナダの首相と取り決めたシェールガスの日本への輸出交渉は大きな進展です。マスコミでは案の定それほど取り立てていませんでしたが、今後の日本のエネルギー政策を変える可能性のある一大事だったと思います。

そもそも20世紀のエネルギーは中東の石油に頼っていました。ところがその中東は民族的、宗教的対立でとても不安定な地域です。ひとたび戦争が起これば世界的なエネルギー問題が生じてしまいます。そこで安定的エネルギーを求めて原発に舵を取ったのです。もちろん皆様もご存じのとおり日本の原発政策導入には政治的からくりもあり、また原発フィクサーと称される人物もいて民意の反映の結果とは言い切れません。しかし、現実にこの原発を廃棄するには代替えのエネルギー政策が必要なのです。長期的には風力や太陽光、潮力といったエネルギーに転換するとしても当面は別のエネルギーに頼らざる得ないわけです。しかしながら日本にこのシェールガスは実用化できるレベルでは今のところ存在しません。
シェールガスの先進国アメリカから輸入する場合、プラントの多くは東海岸にあるためパナマ運河を通らねばならず20日ほど掛かってしまいます。ところがカナダは西海岸から直接運ぶことができるためにその半分の日数で済みます。当然コストは下がるわけです。つまり価格硬直が起こらずより安いカナダからの調達コストが他の国々から輸入する場合の基準に押し下げられた訳です。これは大きな進展だと思います。
以前、自民党のある県の後援会会長をしている先輩から安倍さんが首相を辞めた後、先輩のところに来たことがあって、その時の質問に対する答えの迷いのなさに驚いたと言っていました。先輩も首相の時の答弁のしどろもどろとの対比に驚いていたのかもしれません。
では、何故変わったのでしょうか。
私は安倍さんのブレーンがより重層的(レイアー)になったことが要因ではないかと思います。最近の政治家は似たような人と組みたがる傾向にあります。某政経塾出身の人たちの似ていること似ていること、金太郎飴のようです。安倍さんも首相の時は2世議員の典型のようでした、ところが今回は違います。これには好き嫌いは別として経済、外交、防衛のそれぞれのブレーンを配置してさらにそれら政策が上手く機能するような下準備(日銀総裁人事など)をしてから政策を実施したことが大きいと思います。またレイアーな人事は多層的な知識を生みます。それによって教育、福祉といったその他の範囲でも新たな取り組みが行われます。

7年後の東京オリンピックの招致に成功したことはさらに大きいと思います。少なからずそれまでは錦の御旗にこのことを謳えば様々な政策がインフラの整備と称して実行できるからです。ただ問題はそのあとです。私の周りの多くの経済人がそのことを心配していました。日本の正念場の7年となることは間違いありません。7年間のモラトリアムの間にこの日本という国が変わることが出来なければ確実に亡国の道を歩むことになります。
震災の復興も大切です。しかし、同じ町を戻すことが本当に復興なのでしょうか。三浦氏が書いているように復興における政策にはこのことが大切で被災者である多くの人たちも理解しなければならないのです。そして国家としてどのようなビジョンを国内外に指し示すことが出来るのかが本当に大切になってきます。安倍さん今度は投げ出さないでくださいね。本当の正念場なのですから。





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