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2013年10月28日月曜日

キャッチ&リリース


我が家は昨年、長女が愛知県に嫁ぎました。長男は来年よりレジデントとして勤務するため、自宅からは通えないので病院の近くで一人暮らしの予定です。そういう意味では二人共大方巣立ったようなもので子育ての総仕上げの段階です。

子供は確かに可愛いです。でも親が彼らの一生を背負ってあげることは出来ません。子供が幼い時、また彼らが色々な壁にぶつかってもがいているようなときには、親は手を差し延べ優しくキャッチすることも必要です。ただ気を付けなければいけないのは、このキャッチが行き過ぎてリリースが上手く行えない人が多いのです。子供を自立させるためには子離れは辛くてもいつかはリリースしなければならない。多くの親達はこのリリースの時期を逃してしまっている。中には、結婚後も子供をずっと縛り付けて、それが子供の幸せだと思っている人もいます。こうしたところでは子供の方も親の安全な囲いから決して抜けだそうとはしないものなのです。

教育に限ったことではありません。お金についても同じ。お金をいくら持っていてもそれはただの紙切れです。使い方を知って初めてお金になるのです。若い時貧しかったから執着するのは仕方がないという人もいます。衣食足りて礼節を知るともいいます。確かに貧しさは心を荒ぶらせることも多いでしょう。しかしその境遇を脱してもなお、心荒ぶるではまずいのではないでしょうか。こうしたリリースの出来ない人は裏を返せば、現在に満足していないのです。昔は良かった昔は良かったと自分の遺構にすがりつき、こんなはずじゃなかったと人生を恨んでいる。だから何かに執着しないと生きていけないのです。
ではどうすれば良いのか。答えは簡単です。自分と違う職業や考え方の多くの人に出会う事です。そう簡単には出会えないと機会の少なさを嘆く前に自らこれを消失していませんか。

私はスタッフによく言います。人との会話の中で言葉が多すぎるのも困りものだが、阿吽の呼吸宜しく、何も話さなくても意思が通じると思うのは大きな間違いであると。私達は毎日知らず知らずのうちに人を選別しているのです。この人とならもう少し話をしてみたい、また会ってみたいと思わせる言質が必要なのです。ではその言質は何ぞやと考えるとこれは最後にその人の興味ということになるでしょう。その人の引き出しの多さということになるのです。実は勉強するほんとうの意味はこのくだらない使いもしないような知識の習得こそが本意なのです。

みなさん今日もリリースしていますか、全てのものをキャッチし続けるのは無理なことですし、難儀な事です。だったら、どんどんリリースしていきましょう。ほら、軽くなったでしょう。私の頭のなかはそんな息子のこととホットレジンに混ぜ込むポリマーの量が果たして何パーセントが最適解なのか並考しているのですが・・







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