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2013年9月9日月曜日

オリンピック招致における共感力


東京のオリンピック開催が決定された。招致に賛成する人もおれば反対する人もいる。私は正直嬉しい。少なくとも今日から3日程度は素直に喜びたいと思っている。そのあとで現実と照らし合わせて色々な問題を考えれば良いだろうと思っているからだ。
私は前回の日本のプレゼンテーションを見て聞いてがっかりしていた。

スピーチが少しも心に響かないのだ。経済効果がどうだとか、安心で安全な街だとか、財政基盤がしっかりしているとか、そんなことどうだっていい。本当に日本に来てほしいのだろうかそう思っていた。一部の人に見られるオーバーアクションのスピーチも興醒めだった。
ところが今回はどうだろう。とても素敵なプレゼンテーションだったと思う。心に響く言葉と言うのは送り手がオープンマインドでないと相手に届かない。2年前に震災で労苦し、さらに原発の問題では多くの人が今も大変な生活を強いられている。しかし、それが現実の日本なのだ。その事をひた隠しにしてスピーチしても決して相手に届かないのだ。ところが今回は被災地のアスリートが震災のことも、その余の事も包み隠さずスピーチした。しかも、凛として明るくにこやかにスピーチしたのだ。また、別の女性は不得手のフランス語(失礼)で必死に日本のおもてなしの心をスピーチした。そう、それこそもっと早く日本が世界にアピールするべき事だったと思う。世界中より日本に多くの人に来てもらいたい、その心が招致の本質だと思うからだ。こうしたスピーチは我われも含めて多くの委員たちの心に響いたスピーチだった。そして最後に我が国の首相が世界に向けて安全をq担保したのだ。多くの人が汚染水問題は何も具体的に前進していないのにふざけた事を言っている揶揄する。しかしそうだろうか、一国の首相が全世界に向けて発表したそれは、少なからず「やらねばならない」を増幅させるはずだ。原発の問題もオリンピックも同じように国家と言う単位で論じられるものであって個人や企業に矮小化するべきでないからだ。
今回の計画も耳目に値すると思っている。今回のメイン競技場は霞ヶ丘の国立競技場である。ここは現在複雑な屋根形状等より漏水が多くの箇所で発生し建物も相当老朽化している。だからここの更新に合わせた今回の計画は一石二長ということになる。さらに同様の武道館も活用すると聞いている。多くの新規建物はお台場周辺に集中させ、選手村は住宅として販売または賃貸されると聞く。コンパクトな会場設営によって大都会東京の日常への影響も局力抑えるという配慮もある。またこのところ人気のあるお台場のウォーターフロント周辺も鈴木知事が提唱していた頃には閑古鳥が鳴いていた。そして震災によって地盤の脆弱なこのエリアの人気は下がったのだ。ところが都心へのアクセスの良さが見直され人気が上昇しつつある。そして今回のオリンピック決定である。知り合いのマンション販売業者は急遽価格改定の会議を開くと言う。まさに鈴木知事時代の東京フロンティア計画がこの2020年に花を咲かせることになるのだ。

東京オリンピックの時、私は5歳だった。父の窯のある足尾で開会式を見ていた。足尾のテレビは白黒で選手の赤いユニフォームもグレーだったが、5歳の私の目にはすがすがしい秋の青空とともにユニフォームの色まで分かるようだったと記憶している。