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2014年7月3日木曜日

沈んだ費用

今日は少し経営者らしい話をさせて下さい。

大学時代一番学ばなかった私が説明するのも何なんですが、個人商店を経営する上で大変重要な事なのでご容赦下さい。

サンクコストと言う言葉をご存知でしょうか。sunk costつまり埋没された費用のことです。既に支払ってしまった費用のことをいうのですが、いささかこれには説明を要します。

例えば建物などの固定資産と呼ばれるものは将来に渡り、その効果が継続され対価として家賃などの収益を生み出します。そうしたものは税務の中には費用と収益一致の原則が決められ一度に費用化することが出来ません。オフィスの家具も同様で一定金額以上のものは複数年で費用化されていくわけです。

ここで問題となるのはその家具は直接的に売上に貢献するものなのか否かという事です。どんなに高い応接セットを購入し、来客が喜んだとしても、それが売上に直接影響することはないでしょう。そうしたものを償却資産として税務上計上するあまり、それらに要した費用が既に支払ってしまった費用=サンク・コストだという認識を忘れがちなのです。

ある人が会社の車はリースにすると胸を張っていっていました。よほど儲かっている会社なのでしょう。しかしながら、サンク・コストの考え方に立てばこれは得策ではありません。車が直接的売上に結びつかないものである以上、その効果を将来に求めるべきではないからです。

実はこの考え方は売上にも共通します。私は埋没した売上=サンク・アーニングと呼んでいます。例えば支払が遅れたテナントが保証金も食いつぶしさらに約定を果たさないのに、家賃を回収したいと居続けさせるような場合です。結果、事態は悪化し、収益をさらに圧迫することになるのです。

人間誰しも元を取りたいと考えます。そこがこの問題の一番厄介なところです。
私はひとつ自分で決めていることがあります。それは現金で支払えるもの以外は買わないということです。車でも不動産でも現金で買えるものにしています。現金が足らないなら買わなければいいのです。確かに欲しいなあと思うこともありますがそれによってこの小さな会社も何とか30年持ちこたえることが出来たのだと思うと範を変える気にはなりません。

皆さんもサンク・コスト今日から意識してみませんか。