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2014年9月11日木曜日

コアコンピタンスと社会貢献

昨日、やっとテスラモータースのモデルSが日本でデリバリーされました。思い返せば2011年に逗子マリーナでテスラモータースのスポーツバージョンに同乗させてもらってから3年が経ちます。その間にハリウッドでモデルSの実車を偶然発見し、日本に帰ってきてからは実際にこの車に試乗する機会も得て、どれほどこの車が先進的で斬新であるかよく理解しているつもりです。

実際にその間に様々な車を試乗する機会がありました。パナメーラ、911、アストンマーチン、ジャガーF、コルベット・・買える買えない、買う買わないは別としてもどれも素晴らしい車でありガソリンエンジン車としては優秀でした。
しかしながらどの車も既存の枠の範囲内でイノベーションという言葉は当てはまりません。BMWに至っては自社の電池走行距離や充電システムの理由からもし途中でその必要が応じたら同社のネットワークで別の車を貸し出す有償のサービスまで売りだしたくらいです。これには失笑してしまいます。

ところがテスラモータースはこのモデルSの次にモデルXというSUVを発売することを謳っており、さらにその先にはモデルSの半額近いモデル3を用意しているというのです。そしてテスラ社の営業利益は四半期を除いて全て赤字にも関わらず株価の時価総額は35000億円という数字です。如何に市場が期待しているかこれからも分かります。

その強みはまさに電気自動車の心臓部、つまりバッテリー電池の技術にあります。他社の追随を許さないそれはコアコンピタンスであり同社の最大の強みです。他社が50キロ100キロの走行のところ、同社は500キロ走れるのですからその違いは一目瞭然です。

そしてさらに驚くのはその技術を他社に与えても良いということなのです。何故そうのようなことを言い出したのでしょう。クックCEOは将来悔やむかもしれないと言っていますが、それこそ自信の現れであり、イノベーションを続ける信念を持っている左証なのです。

電気自動車の市場は一向に大きくなりません。何故なら、実用に耐えうる技術が進んでいないからです。官公庁では環境問題もあり、実際に一部導入していますが、50キロしか走れない車を農村や山奥で走らせる訳にはいかず手を焼いていると言う声を耳にします。

同社のイノベーションの原動力はこうした社会インフラを整備させ電気自動車を実用可能なものにしてマーケットを創造することなのです。その理想があるからこそ生まれた産物であり、その理想(社会的貢献)そのものがイノベーションの解なのかもしれません。


2014911日た 29歳になる娘の誕生日にかえて










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