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2014年2月19日水曜日

言葉の問題

村上春樹氏の新作「ドライブ・マイ・カー」での文章の一部が問題になっているという。私も読んでみた、確かに北海道の実在する町の名前を記している。そしてその女性に向かって「***町ならみんなタバコを道に捨てているだろう」と書かれている。これを見て一部の町民が目くじらを立てたわけだ。私たちはそんな公共のルールを守らない人間ではないと。彼らは文章全体を読んで作者の意図を理解しているのだろうか。
例えば私のことを家人の誰かが「北関東の辺境の人間が魚を食べて美味しいとか、美味しくないとか、ホザイている事自体馬鹿馬鹿しい」と言ったとする。だからといってこれが本当に北関東の人全てを馬鹿にしているわけではない。私のことを特定して揶揄しているだけだ。私個人の特定にはディレクトリが役立つ、これはよく私たちも使う。関西人だからとか、関東の人はなど頻繁に使う。つまりすべての人がそうだと言っていないし、悪意もない。あるのはその女性に対する怒りや失望だ。
こんな事を抗議する町議たちは今のマスコミにも似ている。重箱の隅をつついて全体を見ない。
そう考えると小説家というのは大変な職業である。そういえばこんな事があって筆を折った人がいた。村上氏にはそうなってほしくないと願うのである。