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2016年4月11日月曜日

矮小化する日本人 井の中の蛙


先日、こんな事がありました。

薬局で調剤を待っているとき、小学校の低学年と思われる子供を連れた30代前後の男性の言葉です。

「お父さんこの車何ていうの?」「どこの車」

「これはドイツのP****という車」

「速いの?

「速いよ」「だけど燃費も悪いし、そもそもそんな早く走れる道路はないから要らないんだ」「お父さんの****で十分」

「お父さんは買わないの?

「そもそもこんな車を持つのはお金持ちか、お金はないけど見栄体裁の人だから要らないんだ」

「分かるね」

「・・・・・・子供・・・・ 無言」

 

価値観は人それぞれだから、輸入車が嫌いで国産車が好きでももちろん全く構いません。

しかし、私達の小さな頃は自分の家では手の出ないような車でも憧れの物があって、親はそれを否定するような事はなかった気がします。お金がなくて買えないことも実は子供は分かっているし、それを敢えて教えることも必要なことなのです。そして、そうして育った子供は大人になって前向きになり、質実に家族を養っていけるのです。

お金があるかどうかは結果です。しかしその結果にはちゃんと理由があるのです。それを教えないと行けない。

好き嫌いを決めるのは最後、自分で経験して味わって初めて答えを出せるのです。

私はこうした事をビジネスクラス症候群と呼んでいます。自分は一生ビジネスクラスで旅行など出来ないと諦めてしまっている。毎回ビジネスクラスに乗ることなど必要はありませんが、一度は乗ってみないと優劣を決定ずけられないはずなのです。

昨今、日本の凋落が激しく経済的にも格差が拡大しているのはご覧のとおりです。

その一番の理由はこのように大人が矮小化し、自分とは関係ない、何も将来にいいことはないと諦念していることなのです。子供の無言は大人の知らぬ間に、自分の立ち位置が見えてきた証拠です。他の同級生の家族と比べているのです。そしてその確認と確証が下流化を決定するのです。

その男性の車には漫画雑誌数冊とテッシュペーパーの箱が散乱していた事を付け加えておきましょう。

井の中の蛙、己を蛙とは理解せず・・・